Dementia-friendly communities

認知症は多くの人に取って他人事ではありません。健康と社会的なケアだけでなく、コミュニティ全体で認知症に優しい施設が必要になります。Alzheimer's Society(アルツハイマー病協会)の報告書「Dementia 2015: Aiming higher to transform lives(認知症2015:人生を変えることを目指して)」*で、Alzheimer's Societyは、認知症の診断を受けた方がそのままの状態でうまく生きるために推奨される8つの行動を発表しました。

7:認知症に優しいコミュニティを推進す

この行動は、2012年に当時の首相であるデビッドキャメロン氏によって開始され、認知症の課題として捉えられていたものです。その内容として、健康と介護の改善を促進と並んで、認知症研究をさらに進めていくことです。
それは、Alzheimer's Society(アルツハイマー病協会)とPublic Health England(英国公衆衛生)によって推進され、認知症にやさしいコミュニティを支援するボランティアのネットワークであるDementia Friends(デメンティア・フレンズ)の発展へとつながりました。
現在、英国には100万人以上のDementia Friendsのメンバーがおり、105のコミュニティが認知症にやさしい取り組みをしています。

Alzheimer's Society(アルツハイマー病協会)は、British Standards Institution(英国規格協会、BSI)と協力して、2014年7月のAlzheimer's Society年次会議で「認知症にやさしく」なることを目指して活動するコミュニティのための実践規範の形式をとるPAS(Publicly Available Specification)に関する協議を開始しました。PASの資料コピーに関しては、Alzheimer's Societyのウェブサイトのフォームから問い合わせにて入手いただけます。

2015年3月までに20 Dementia-Friendly Communities(20の認知症に優しいコミュニティ)を当初の目標としていましたが、Alzheimer's Societyの現在の登録コミュニティー数は115以上で、Prime Minister's Challenge 2020で、2020年末までに認知症に優しいコミュニティに住む人々の少なくとも50%向上させるという目標を掲げています。

これが意味することは、たとえどのようなプロジェクトであっても、認知症の方々へデザインするということが設計において必要なものになりつつあるということです。